「切りっぱなしが乙」という狂気。マンションの低い天井高をメリットに、玄関手すり4500円DIYの美学

リノベ済み中古マンションを購入し、引っ越して2ヶ月のときのお話。
売り主による手直し工事も終わり、ようやく生活が落ち着いてきた今日この頃。
自分で簡単なDIYを楽しんでいます。 

今回挑戦したのは「玄関手摺」の取り付けです。
30代40代の皆さん、玄関に手すりが欲しいと思った事はありませんか?

まだまだ人生半分の若輩者、アラフォー世代の私。正直なところ、「40歳にして手すりをつけるのは、いくらなんでも早すぎないか?」という若干の葛藤はありました。この年齢で老い支度のようなことを認めてしまうことに、少しばかりの緊張感すら覚えます。

しかし、現実を見つめてみると、立ったまま靴を脱ぎ履きするとき、無意識に壁に手をついている自分に気が付きました。

私は毎日リュックを背負って通勤しています。直行直帰が多いのでいろいろ持ち歩きます。中にはパソコンや書類、日によってはメジャーや電動ドライバーなどの簡単な工具、そしてお弁当まで入っているので、結構な重量になります。自分の体重プラス、この重たいリュックの荷重を背負った状態での靴の脱ぎ履きは、いくら若いつもりでいてもふらつく時があるのです。

それに、そのまま壁に手を付き続ければ、そのうち手の形に黒く汚れてしまうのは火を見るより明らか。壁が汚れる前に、そして日々のふらつきを解消するために、手摺を取り付ける決意をしました。

マンションの低い天井を「逆手にとる」発明

うちの玄関は配管スペース(リノベーションでエアコンを増設し、天井内に隠蔽配管を敷設している)の関係で、天井高が2100mmしかありません。マンションなので、リノベーションをしなくても2200mmだったと思われます。 戸建て住宅の実家では玄関の天井高が2500mmほどあり、土間との段差も含めれば2800mmくらいの高さが感じられる空間でしたが、マンションではなかなかそうはいきません。

でも、今回はその状況を逆手に取ります!

天井が低いことで、ホームセンターで普通に売っている長さ2000mm(2m)の丸棒手摺を、一切カットすることなくそのまま使えるのです。ほぼ床から天井までの長さです。これで天井高がもう少し高いと隙間が中途半端で意匠性が気になってしまいます。

仮に2800mmの手摺が売っていたとしても、自分の車では長すぎて運べませんし、何せ、自宅の中やバルコニーでノコギリでカットする作業なんてしたくありません。掃除もメンドイですしね。

材料と費用の全貌。あえての「切りっぱなし」が乙

今回の材料代はしめて4,528円(税込)。手間賃はDIYですので自分の時間(と心地よい筋肉痛)のみです。

  • 手摺: 長さ2m・直径35mmの丸棒手摺。2,728円(ホームセンター購入)
    Amazon等でも売ってますが、送料無料でも高値です。(https://amzn.to/4qKjQih
  • 手摺金物: カワジュン・KH-372-XC・クローム色。5個で1,800円(メルカリ購入)(https://www.kawajun.jp/hw/product/KH-372-XC
  • 道具: インパクトドライバー、ビット(+の2番と細いドリル)、メジャー、鉛筆、下地探し
  • 作業中BGM: ミエナイチカラ(B’z)

ちなみに、インパクトドライバーはマキタの電源コード式(MTD0100)。楽天市場で9,799円で購入しました。Amazonでも1万円以下で購入可能です(https://amzn.to/3ZLjaOD)。
電源コード式は安いだけではなく軽くてパワーも落ちないため、DIY民にはおすすめです。バッテリー式でカッコつけている場合ではありません!バッテリータイプはバッテリーが高価で総額が高くなります。(https://amzn.to/4s6zV2T

メルカリで購入した金具は、5個で1,800円でした。定価では1個1,540円、5個で7,700円ですね。 定価よりかなり安く買えるのはもちろん、公式ホームページで探すよりも「いま出品されているもの」という制限がある分、その中から一生懸命お気に入りを探すのです。こんなに楽しい瞬間はなかなかないですよ。
また、建築金物は「使う予定だったけど余ってしまった」という理由で、傷もなく箱もきれいな新品・未使用品が出品されていることが多いので、中古であることを気にする必要がほぼありません。誰かが買ったということは、それだけ人気がある商品ですし、意思決定の背中を押してくれます。

そしてDIY最大の魅力、それは「既成のルールを無視できる自由」です。

今回は床から天井までいっぱいにつくため、端部の切り口がほぼ見えません。そのため、エンドキャップをつけずに買ってきたままの「切りっぱなし」状態にしています。 無駄を省いたこの意匠、既製品にはなかなか存在しません(たいていキャップが付いているか、丸くなめらかに加工されています)。個人的にはこの切りっぱなしが最高に「乙」だと思っています。

DIYの心の壁「自宅の壁に穴を開けるの怖い問題」の突破口

いくら自分の所有する持ち家だとしても、壁にビスを打ち込み、穴を開けるには相当な抵抗があると思います。私も最初はそうでした。

しかし、壁の中の構造を考えれば怖くありません。うちの玄関は雁行(ジグザグ)しているので「出隅(外側に出っ張った角)」に取り付けることになりますが、出隅には必ず下地が入っています。 壁紙の下にある石膏ボードを留めている下地(柱と言ったほうがイメージしやすいでしょうか)は、床から天井まで縦に必ず存在するのです。

出隅じゃない場合も、ホームセンターで「下地探し(先端にマグネットが付いているタイプ)」を買ってきましょう。 針を刺して、貫通すれば下地は無し。12.5mm程度で針がカチッと止まれば、そこに下地がいます。 さらにマグネットの出番です。石膏ボードは柱に対してビスで留まっているので、マグネットが壁にくっつく場所=ビスが打ってある場所=ほぼ確実に下地が存在する場所です。

出隅でも平面でも同じ方法で下地を探して自信を得てください。下地を確認して縦のラインを狙えば、自信を持って取り付けができます。

いざ、取り付け。

手順はとてもシンプルです。 今回ホームセンターで買った手摺には、背割りとして「目地ライン」が入っていました。このラインがあるおかげで、左右の位置を気にする必要がなく凄く楽でした。上下の位置さえ測って決めてしまえばいいのです。

【手摺に金物を付けるための墨出し】 1箇所目は床に近い方の端部。巾木の高さより上なら適当でOKとします。なるべく低いほうが良いです。 2箇所目は天井に近い側の端部。距離を1箇所目に合わせて上下線対称の状態とします。 3・4箇所目は、1・2箇所目からそれぞれ内側へ600mmの位置にします。

2メートルの長さの手すりに対して、金物4個です。 よくインスタなどで同じように天井高の手すりをつけている写真を見ますが、上下の2カ所と中央に1カ所、合計3箇所くらいで取り付けている写真をよく見ます。そのような写真をあげている人は新築戸建てが多く、天井高は2400mm以上と思われますので、金物のピッチが1200mm程度あると思います。私はそれでは不安です。

今DIYをして、その後40年保って欲しいので、少し多いと感じるかもしれませんが、2mに対して合計4カ所取り付けます。それでも見た目がおかしいなんて事はないと思っているし、邪魔になることもありません。 子供たちの成長過程で邪魔な高さになってしまう事は考えられますが、まぁ一過性のことですし、良いか悪いか分かりませんが、実家の思い出と思ってくれれば良いでしょう。

【下穴を開けて金物を取り付ける】 あとは壁への取り付けです。 今の自分は、出隅には必ず下地がいると信じきれている状態です。ですので、ここでは水平器もメジャーも使わず、見た目に違和感がない位置、角度に「エイヤー!」でどんどんビスを打ち込みます。ここだけは数値よりも自分の目の感覚を優先させます。

建築には真の垂直や水平は存在しないと考え、数値を守っても違和感がある状態を避けるために、最初から感覚を優先させてください。いずれにせよ1mm〜2mm程度のはなしです。

これにてピカピカのクロームメッキ金物を使用した手摺が完成です。

全ての世代に手摺を。

私は手すり業者の営業ではありません。
しかし、実際に取り付けてみると、40歳にして手摺を取り付けるという判断を下した自分を全力で肯定したくなります。最高です。自分を褒めてあげたい。

新築で家を建てる若いご夫婦が「手すりは使わないし、デザイン的につけたくない」と考えるのもよくわかります。でも、いずれ絶対に必要になります。皆、等しく老いていくのですから。

それに、手摺の恩恵を受けるのは大人だけではありません。小学校の入学のしおりに「立ったまま、靴を脱ぎ履きできるようになっておいてください」と書いてあり、我が家の子供たちも、立ったまま靴を履く練習の真っ最中ですが、その初期段階として手すりが大いに役立ってます。

壁が汚れる心配もなくなり、家族みんなが喜んでくれました。

もし数十年後に手摺が手垢で黒ずんできたら、その時は色を塗ってもいいし、新しいものに交換してもいいんです。それもまたDIYの醍醐味ですから。

少々の筋肉痛とともに、とても良い運動、そして良いDIYになりました!

ミエナイチカラよ輝け
You’ve got to be strong
It’s never too late
I never say die
(B’z『ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜』より)